舞え!HIROSHIMAの蝶々
被爆地からのメッセージ集を発刊 TOPへ戻る

出版記念会(8月6日、広島市内で)
証言集「舞え! HIROSHIMAの蝶々―被爆地からのメッセージ―」が2003年8月6日に、レグルス文庫判で第三文明社から発刊された。タイトルは証言者がつむいだ言葉をヒントにつけられた。“君たちが、広島の蝶となって羽ばたき、やがては、世界に平和の竜巻を起こしてほしい”との思いが込められている。6日には広島市内で出版記念会が開催された。
ここでは期待の声などのコメントに併せ、証言者の代表6人による写真で綴る自分史を紹介する。
体験の聞き書き取材に取り組む広島女性平和会議メンバー

デイビッド・クリーガー氏 /核時代平和財団所長
 広島からのメッセージを綴ったこの本は、核兵器――これらが何をなしてきたか、そして何をなすことになるのか――について、まだほとんど理解していない青年たちに向けられています。これらのメッセージは核による惨劇の苦痛を被った人たちから、世界を継承し21世紀のリーダーとなる青年たちへの贈り物なのです。これは、逆境を乗り越えた個人の勝利と変革への強い責任感を綴った物語です。そこには愛と勇気と智慧が満ちあふれています。
「HIROSHIMAの蝶々」――この本のタイトルに込められた素晴らしい概念には、二つの意味合いがあります。一つは荒廃の“まゆ”から美しい“蝶”としての、広島の出現という比喩として、もう一つは広島の蝶の小さな羽ばたきが、世界に大きな影響を与えるという「バタフライ効果」の示唆です。この本のメッセージ、即ち広島の蝶の羽ばたきによって、核兵器が私たちの聖なる地球からなくなって、ただ記憶の中にあるものとなる日が世界に近づくことを強く願ってやみません。(「発刊に寄せて」から)

理事横路謙次郎氏/広島大学名誉教授 /核戦争防止国際医師の会(IPPNW)
 広島に、いつ原爆が投下されたのかも知らない若者が多くなっている今、被爆された方たちの証言は重要な意義を持っています。
 この証言集には被爆の苦しみのなかで信仰に出会い、蘇生していく人々や被爆体験を語ることを自身の使命と決め、強く生きてゆこうとする人々の話が全ページを埋めており、宗教が人間の心を支え、再生に寄与することを証明していると思いました。
 被害者であるはずの被爆者が、「原爆後遺症は遺伝する」「人にうつる」などの偏見や差別に苦しまれたことも胸を痛めました。これに関しては「放射線影響研究所」で、遺伝子レベルまでを長期にわたり研究・調査し続けた結果、現在まで遺伝的な影響があるという明確な所見は得られておりません。医学的な知識の蓄積によって、誤解や差別が少なくなってきたことはうれしいことです。
 ともあれ今、創価学会の青年、婦人の皆さんが行っている平和運動は、社会において大きな役割を担っていると思います。

高橋昭博氏/元広島平和記念資料館館長
 1971年から約30年間で、3000回、30万人以上に被爆体験を語り続けてきました。創価学会青年部の方々にも、何度かお話させていただきました。
 私はいつも、若い人たちへ、「“人の痛みを分かち合う心”こそが、平和への第一歩である」と訴えてきました。
 「戦争反対」「核兵器反対」と叫んでも、いきなり大きなことができるわけではない。でも、被爆者の痛みを通して“人の痛みを分かち合う心”を育てることはできます。
 だから、学会青年部の皆さんが地道に取り組まれた聞き書き、そしてこの本の出版は、大きな意義があります。さらに平和への心を強く持ち、頑張ってください。(出版記念会で)

熊田重克氏/広島大学平和科学研究センター客員研究員
 この58年間、広島からさまざまな反核平和のメッセージが発信されてきましたが、冷徹な国際政治の中で、生かされたか否かを考えると、悲観的にならざるを得ません。
 我々が、懸命に平和運動に取り組んできたにもかかわらず、先ごろのイラク戦争、10年前の湾岸戦争でも、劣化ウラン弾が使われました。核兵器が使われたのです。
 この状況を、どう乗り越えていくのか――。やはり地道に、原爆の惨劇、文明的な悲惨さを、丹念に拾い上げていくしかない。そういう意味で、今回の出版は非常に高く評価できるものです。
 決して単発的なものに終わらせるのではなく、何があっても、たじろがず、ひるまず、この意欲と情念を燃やし続けてください。皆さんの行動が、心ある人たちに、非常に大きな勇気を与えることになるのですから……。(出版記念会で)

塩田智彦氏/広島青年平和委員会事務局長
 21世紀に入って再び、世界が暴力で覆われていくのを見て、私たちは「ノーモア・ウォー」という「ヒロシマの心」を、今こそ「世界の心」に、との思いを強くしました。
 広島の青年平和委員会、女性平和文化会議、学生平和委員会メンバーで2003年初めから、聞き取りを始めました。被爆者の方々から学んだのは「あきらめない心」です。思い出したくもない。自分一人で何ができるのか。そんな思いを断ち切って、傲慢な核権力に挑戦し、叫ばずにはいられないという、深い深い思い。
 それはどこから生じたのか。創価学会の三代会長が命を賭けて戦った目的が、「世界の平和と民衆の安穏」にあることを知ったからに他なりません。その崇高な精神に連なりたいとのけなげな心情に接し、私たちはどれほど感動したか。
 民衆の幸福を奪う「力が正義」の思想と戦うことは、私たち青年の使命です。
 池田SGI会長から学んだ「一人が世界を変えていく」という人間革命の大哲学を掲げ、全世界の心ある青年と連帯し、平和の創出に努力を重ねてまいります。

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