ナチスによって強制収容されたユダヤ人の身分を表すパスポート、「ユダ」としるされた黄星バッジ、囚人服など、「史上最悪の悲劇」を物語る遺品の数々
(1)迫害の歴史(〜1933)
 ユダヤ人社会は、2千年以上にわたって欧州に存続してきた。彼らの子孫はヨーロッパの知的、文化的、政治的に参加した。しかし、社会的・宗教的特異性のために、絶えず迫害の対象になってきた。19世紀以降、ユダヤ人が経済・社会生活により直接的に参加するようになると、この反ユダヤ主義が更に激化。ナチはこの排斥運動を利用して勢力を拡大した。
(2)ユダヤ人の排除(1933〜39)
 1933年、ナチスは政権につくと、ユダヤ人をドイツの生活から組織的に排除した。ユダヤ人から仕事、公民権、市民権などの基本的権利を奪っていった。しかし、まだ逃亡は可能だった。世界はドイツ系ユダヤ人の窮状を知っていたが、避難場所を提供する国はほとんどなかった。

移送される子どもに別れを告げる家族
(3)抹殺の準備(1939〜41)
 1939年9月、第2次世界大戦の開始とともに、ナチはユダヤ人抹殺の意図をあらわにした。1941年までにナチスドイツは欧州の大部分を占領し、数百万のユダヤ人がその圧制下に置かれた。1942年1月、ナチは「最終解決」のために、欧州ユダヤ人完全絶滅計画を承認した。

ユダヤ人の母子に狙いをつけるSS
(4)死の灰(1941〜45)
 600万人のユダヤ人が、ガス室での大量処刑、飢餓、奴隷労働などによって強制収容所などで殺された。また非人道的な生体実験も行われた。ユダヤ人だけでなく、身体・精神障害者、ロマ(ジプシー)なども、虐殺の対象となった。
写真提供:サイモン・ウィーゼンタール・センター