講演するロートブラット会長

広島で開催したパグウォッシュ会議出席のため来日、広島平和会議と広島県青年部が主催する特別講演会で「核なき世界の実現を」と訴えた
 創価学会広島平和会議と広島県青年部が主催し1995年7月、「ヒロシマ50年記念特別講演会」が開催された。このうち第3回は7月30日、広島池田平和記念会館で行われ、パグウォッシユ会議会長のジョセフ・ロートブラット氏が講演した。
 同氏は1955年、世界で初めて核兵器廃絶を声明した「ラッセル・アインシュタイン宣言」の署名者の中で唯一の生存者。パグウォッシュ会議は、同宣言の具現化を目指している。
 広島、長崎原爆を開発した米「マンハッタン計画」に参加した物理学者でもある氏は、原爆使用が大戦の早期終結に役立ったとの考えは誤りであり、米政府による原爆投下の真の目的は旧ソ連にアメリカの力を見せつけるためだったとの見解を表明。
 更に、核兵器は冷戦を促進し、人類を「核のホロコースト(大量虐殺)」の危険に追い込んでいると強調し、いまだに「核による安全保障」の立場に立つ核保有国の基本政策の転換を訴えた。
 その際、氏は核の安全管理システム構想に言及。核物質流出、核兵器テロなどの新たな危険性に対しても、専門家と市民による監視態勢を法的にも整備することが必要、と語った。
 また、核の時代が始まってからの50年の教訓は“抑止力としての核”というものは幻想であり、実際には核兵器こそ世界の安全保障の敵であるという事実であると指摘。“核のない世界”は実現可能であり、それを実現しなければ21世紀はない、と強く語った。